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収入合算 vs ペアローン:共働き夫婦の住宅ローン徹底比較

Tags: 住宅ローン, 共働き, ペアローン, 収入合算, ライフプラン

共働きのご夫婦にとって、マイホーム購入は大きなライフイベントであり、その資金計画の中心となるのが住宅ローンです。夫婦二人の収入を合わせることで、単独では難しい借入額が可能になる一方、住宅ローンの組み方にはいくつかの選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。特に「収入合算」と「ペアローン」は、共働き夫婦ならではの主要な選択肢です。

この記事では、共働き夫婦が住宅ローンを選ぶ際に知っておくべき、収入合算とペアローンの違いを比較し、それぞれの特徴や注意点を詳しく解説します。ご自身のライフプランや家計状況に合わせて、最適な住宅ローンの組み方を見つけるための一助となれば幸いです。

収入合算とは

収入合算とは、主たる債務者(夫または妻のいずれか一方)の収入に、もう一方の合算者の収入を加えて、住宅ローンの審査や借入額を計算する方法です。合算者には「連帯保証型」と「連帯債務型」の二つの形式があります。

連帯保証型収入合算

主たる債務者が一人でローンを組み、合算者はその借入に対して連帯保証人となる形式です。

連帯債務型収入合算

夫婦のどちらか一方を主たる債務者とし、もう一方を連帯債務者として、夫婦二人が共同で返済義務を負う形式です。

ペアローンとは

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、お互いが相手のローンの連帯保証人となる形式です。夫婦それぞれが主たる債務者となり、独立した二つの住宅ローン契約を結びます。

収入合算とペアローンの比較

| 比較項目 | 収入合算(連帯保証型) | 収入合算(連帯債務型) | ペアローン | | :------------------- | :--------------------------------------------------- | :------------------------------------------------------- | :----------------------------------------------------- | | 契約数 | 1契約 | 1契約 | 2契約 | | 債務者 | 主たる債務者1名 | 主たる債務者1名、連帯債務者1名 | 夫婦それぞれが債務者 | | 連帯保証人 | 合算者が主たる債務者の連帯保証人 | 不要(夫婦が共同債務者) | 夫婦それぞれが相手の連帯保証人 | | 住宅ローン控除 | 主たる債務者のみ利用可能 | 夫婦それぞれ利用可能(要件あり) | 夫婦それぞれ利用可能 | | 団体信用生命保険 | 主たる債務者のみ加入が一般的(特約で合算者カバーも) | 主たる債務者加入。金融機関によりペア連生団信等も利用可能 | 夫婦それぞれが加入 | | 諸費用 | 比較的抑えられる | 比較的抑えられる | ローン契約が二つになるため、高くなる傾向がある | | 手続きの複雑さ | 比較的シンプル | 連帯保証型より複雑な場合あり | ローン契約が二つになるため、やや複雑 | | 将来の柔軟性 | 主たる債務者の判断が中心 | 夫婦共同での判断が必要 | 夫婦それぞれの手続きが必要 |

共働き夫婦が住宅ローンを選ぶ際の考慮事項

1. ライフプランと働き方の変化

将来的にどちらかが育児や介護などで働き方を変える可能性や、転職・独立の可能性などを考慮することが重要です。収入が変動した場合の返済能力や、団信による保障の重要性が変わってきます。

2. 夫婦間のマネープランと意思疎通

夫婦でどのように収入を合算し、支出を分担していくのか、将来の資産形成目標は何かといったマネープランを共有することが不可欠です。住宅ローンは長期にわたる契約であるため、夫婦間でしっかりと話し合い、お互いが納得できる形で進めることが円満な家計管理の基盤となります。

3. 住宅ローン控除と団体信用生命保険の活用

節税メリットが大きい住宅ローン控除を最大限に活用できるか、万一の場合に備える団信の保障範囲はどうするかは、選択肢を絞り込む上で重要なポイントです。特にペアローンや連帯債務型は夫婦それぞれが控除を受けられる可能性があるため、夫婦の収入や将来の所得の見込みから、どちらが有利になるか検討すると良いでしょう。

4. 金融機関ごとの商品内容の比較

金利タイプ(変動金利、固定金利)、金利の上乗せとなる特約(全疾病保障など)、保証料の有無、手数料体系、繰り上げ返済の条件など、金融機関によって商品は多岐にわたります。複数の金融機関から情報を集め、比較検討することが重要です。

まとめ

共働き夫婦の住宅ローンでは、収入合算とペアローンが主な選択肢となります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが最適かはご夫婦の収入状況、将来のライフプラン、保障に対する考え方、そして諸費用を含めたトータルコストによって異なります。

借入可能額だけでなく、将来にわたる返済の確実性、万一の場合の保障、そして税金メリットなどを総合的に考慮し、夫婦でしっかりと話し合うことが、賢い住宅ローンの選択につながります。専門家であるファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに相談することも、客観的なアドバイスを得る上で有効な手段の一つです。ご夫婦にとって最善の選択ができるよう、時間をかけて検討を進めてください。